色による遠近感の違いを試してみる・・・『萌え王イラストコンテスト2013』

2013年3月1日金曜日

イラスト コンテスト



pixivの公式イベント『萌え王イラストコンテスト2013』用に描いた作品です。
『学生服』がテーマでしたが、例によって何をどう描いたものか悩みました。

しかし、アイデアは突然降ってきます。

『子供に服を着せている最中、間違えて頭を通す穴に腕を通してしまった』という事がありました。

あ!これだ。

というわけで、『体育の授業が終わり制服に着替えている』というシチュエーションに決定です。

ストーリーとしては……体育の片付けで着替えの時間が無くなってしまい、あわてて着替えているという感じです。
次の授業は女子からの嫌われ者『エロ先生』の授業です。
早いとこ着替えなくてはいけません。
女の子はあわててしまいます。あわてると物事うまくいきません。
襟繰りから頭と腕を通してしまうという事も起こってしまいます。

そんなシーンです。
タイトルは……

あわてて着替える女学生『次エロ先の授業だよっ!』

です。

襟口から首と腕を通した絵にしたいので、服はブレザーではなく、セーラー服になりました。

さて、描くものは決まったので、サササと制作。(実際にはサササなんてスピードでは描けませんが…orz)

それはそうと、最近『色』の事を調べることがマイブーム。
調べている中でとても参考になるサイトにめぐり会いました。
シンプルなサイトですが、広く浅く知識が必要な絵描きにとってわかりやすくまとめられているサイトです。

そしてサイト中の下記ページに『進出色/後退色』の説明を見つけました。
http://cc.musabi.ac.jp/zoukei_file/03/sikisai/taihi.html

恥ずかしながら、この知識すっかり忘れていました。
要は空気遠近法と膨張色の合わせ技みたいなもので『青い色(寒色系)は遠くに見える。赤い色(暖色系)は近くに見える』というものです。

そんなわけで、今回の作品では『進出色/後退色』を含む『色による遠近表現』という事を意識しながら作ってみました。

といっても比較対象が無いとイメージしにくいかもしれないので、色による遠近表現が全く入っていない絵も貼っておきます。
見比べてその効果を確認してみてください。

■左:遠近表現なし 右:遠近表現あり
 

基本的には遠くにあるものは『明度を上げ(白っぽくして)、彩度を落とし、青味を入れる』という加工です。

逆に、近くにあるものは『明度を下げ、彩度を上げ、赤味を入れ……』
……な~んてことはしません。
基本的な色は近距離用の色で塗ってあるからです。
それなのにさらに近距離用の色調整をしてしまうと変になってしまいます。

だから近距離用の加工は多少色味の味付けをする程度です。
例えば、近距離の床には赤味を少し加えています。
他には前にいる女の子の足元を少し青くしています。
(遠近感とは関係ありませんが、女の子の足元は床からの反射光ということで、床色も少し足しています。)

そして今回はキャラクターに関しても遠近処理をしてみました。
(奥にいるキャラクターが少し白っぽくなっています。その他にもチョット色調整等入れて有ります。)

やる前はキャラクターに色による遠近処理をするのはやりすぎじゃないかなぁ……と思っていましたが、やってみると意外と悪くない。というより、好みです。

好みといえば……今回、色による遠近に主眼を置いて制作し、あーでもない、こーでもない、といじくりまわしてみましたが、入れる入れない、どのくらい入れるか等は結局好みだと思います。

実際に奥さんに遠近処理を入れたものと入れてないものを見せたところ、『未加工のものの方が好み』という意見を頂きました。

奥さんいわく、『このぐらいの距離だったらあまり遠距離・近距離という感覚にはならず、全ての色がハッキリしている未加工のものの方が見やすい』ということでした。

なるほどねぇ……。たしかにねぇ……。(´・ω・`)

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